第21週







勉強時間を増やすために考えた作戦が裏目に出てしまい、今週の勉強時間は先週よりダウン、過去実績の22.5%増にとどまりました。失敗の分析をし、来週は新たなる作戦で臨みます。岡野の化学は順調に進み、第7講「糖類」終了。関連特許は5件読みました。




単糖類(モノマー)





C6H12O6で表される化合物。グルコース、フルクトース、ガラクトースなど。




グルコースは水溶液中で、α-グルコース↔鎖状構造↔β-グルコースが平衡状態で存在する。




α-グルコース、β-グルコースのヘミアセタール構造が水溶液中のヒドロニウムイオンと反応してアルデヒド基に変化。それゆえ還元性を示す。アルデヒド基は鎖状構造にしかないため、結晶は還元性を示さないことに注意。




二糖類(オリゴマー)





C12H22O11で表される化合物。マルトース、スクロース、ラクトースなど。




単糖類と単糖類が脱水縮合して二糖類になる。結合はエーテルだが、糖類ではグリコシド結合という。




脱水縮合の逆が加水分解。二糖類は酵素の働きによって単糖類に分解される。酵素は触媒。




マルターゼ、スクラーゼ、ラクターゼなど。




多糖類(ポリマー)





(C6H10O5)nで表される化合物。デンプン、セルロース、グリコーゲンなど。




多数の単糖類または二糖類が脱水縮合して多糖類になる。




デンプンはアミロースとアミロペクチンに分けられる。




アミロースはα-グルコースが1位と4位でグリコシド結合したもの。その構造上、分子が大きくなるとだんだん丸まってらせん状になる。そのらせんの中にヨウ素分子が潜り込んで呈色するのがヨウ素デンプン反応。加熱するとグリコシド結合が分解してらせんが解け、ヨウ素分子が入り込む場所がなくなり呈色しなくなる。アミロースは熱水で溶ける。




アミロペクチンは、α-グルコースが1位と4位だけではなく、1位と6位でも結合したもの。らせんの枝分かれ構造になる。熱水で溶けない。




デンプンといえば米。うるち米はアミロース:アミロペクチン=20:80。もち米はアミロース:アミロペクチン=0:100。アミロペクチン=粘り気。




デンプンの分解酵素はアミラーゼ。αアミラーゼ、βアミラーゼ、グルコアミラーゼ、イソアミラーゼがあり、それぞれ切断する部位が異なる。終点から2つめの結合を切るのがβアミラーゼ、終点から1個1個順番に切るのがグルコアミラーゼ、分枝部を切るのがイソアミラーゼ。これより、枝分かれ構造のため終点を多く持つアミロペクチンの方がアミロースより分解されやすい=消化されやすい。




セルロースはβ-グルコースが1位と4位で結合したもの。グリコシド結合するために、β-グルコースは表-裏-表-裏となって結合していく。直線構造。直線構造のセルロースが積層すると、2位、3位、6位のヒドロキシ基が分子内・分子間で水素結合してシート上になる。そのためヨウ素デンプン反応を示さない。水に溶けない。




デンプンに関連する特許





「デンプン」「アミロース」「アミロペクチン」「グルコース」のキーワードで検索。




食品の特許の他に、接着剤やフィルムなどの工業材料、洗剤や柔軟剤、医薬品、染毛剤などの特許が出願されています。その中で気になったのは、まず染毛剤。デンプンと毛染め液の関係性が想像つきませんでした。




特開2017-222607「粉末染毛剤組成物」ホーユー株式会社




染毛剤には酸化剤と酸化染料とアルカリ剤が含まれる。また、毛に塗布しやすくするため粘度を上げる高分子化合物などが配合されている。




酸化剤として過炭酸塩を含む染毛剤を高温高湿で長期保存すると、粘度を上げるために配合する水溶性高分子化合物と過炭酸塩が反応することにより、粘度が下がり毛髪に塗布しにくくなる(塗布操作性)。しかし水溶性化合物としてデンプンとキサンタンガム(など)を併用して配合する(単独ではだめ)ことにより、長期保存しても粘度が落ちず、塗布操作性が落ちず、毛髪のごわつきも改善される。




特開2010-215599「染毛剤組成物」株式会社マンダム




ウリカーゼという酵素を用いた染毛方法では過酸化水素の配合が不要(→毛髪へのダメージが小さい?)。この場合、尿酸が基質として配合されるが、尿酸は水に溶けにくく、経時的に析出するという問題がある。デンプン誘導体を配合することで、尿酸を可溶化させ、析出を抑制することができ、また粘度を経時的に安定させる効果があるため染毛剤の垂れ落ちがなく、延展性に優れ、染毛性にも優れた組成物とすることができる。




毛染め液には、粘度を安定させる目的でデンプンが使用されているんですね。尿酸の可溶化については理由までは分かりませんでしたが、意外なところでデンプンが使用されていることが確認できました。他の工業製品にも粘度を安定させる目的で使用されていそうです。毛染め液で髪が染まる仕組みも確認できました。




特開平10-279991「食器洗浄機用洗剤組成物」ライオン株式会社




洗浄効果を高めるためにビルダー(助剤)を配合すると、アルカリ土類金属と結合してスケールが発生する。それを防ぐために高分子キレート剤を配合するが、これには生分解性がなかった。そこでデンプンの酸化物(ポリグルコン酸の酸化生成物)をキレート剤として配合することで、生分解性すなわち環境安全性、水溶性、デンプン分解活性が良好で、ガラス表面の白化抑制効果も持つ洗剤組成物とすることができる。




デンプンは、生分解性という観点で洗剤に使用されていました。このほかに洗濯用洗剤の特許も読んだのですが、洗剤のパッケージに書かれている「酵素配合」の酵素って、アミラーゼやリパーゼ、プロテアーゼのことだったんですね。汚れって、ご飯粒とか、皮脂とか、タンパク質ですもんね。ん?ということは至適温度があるはず。冷たい水で洗濯しても、酵素が働かないのでは?と思って調べてみたら、「40度程度のお湯でつけ置き洗いすると効果的」とメーカーの人も言っているではないですか。特許中の酵素安定性評価でも、40度で1時間保持したとの記載が。それ以来、洗濯機の水にヤカンのお湯を足してみたりしてます。洗剤の特許は興味深かったです。対訳取りステージのテーマ候補にします。




講座で繰り返し言われている「先読みしながら読む」ことに、より意識するようになりました。訓練あるのみ。




岡野の化学の進行は順調なのですが、まとめシリーズの記事作成だけが、毎週積み残し課題として残ってしまうことが続いており、今の生活では続行困難と判断。稼ぎ始めてから続きを書いていくことにします。書きたいテーマは山ほどあるので、知子にメモしておきます。



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