第34週 電子の動きに着目すれば迷わない!アノードとカソードの覚え方
間違えやすいことでおなじみの「正極と負極」、「陽極と陰極」、「アノードとカソード」。
学生さんはもちろん、その道の専門家でもうっかり間違えることがあり、
何なら解説サイトでも間違っていることがあります。
しかし、電子の動きに着目すれば迷うことはありません。
私なりの手順をまとめましたので、良かったら参考にして下さい。
[su_box title="手順" box_color="#f7db6f" title_color="#0e0d0d"]1 電池の図を描く
2 1の電池を電気分解の図に組み込む
3 電子が上る方がアノード、電子が下る方がカソード[/su_box]
1 ボルタ電池の図を描く

電極はZnとCu、溶液はH2SO4です。
イオン化傾向を確認すると、Zn>Cuとなっています。
Li > K > Ca > Na > Mg > Al > Zn > Fe > Ni > Sn > Pb > (H2) > Cu > Hg > Ag > Pt > Au
これより、Znの方がイオンになりやすいため、Znをイオンにしてしまいます。
Zn→Zn2++2e-
このときZnが失った電子は導線の方へ移動するので、図のように上に向かう電子の動きを書いておきます。
電子を失うことを「酸化」というのでした。よって、Zn電極で起きているのは酸化です。
次に、導線を通ってきた電子はCu電極へ到達します。
その電子を水溶液中のH+が受け取ってH2になるので、反応式は次のようになります。
2H++2e-→H2
還元とは電子を得ること。よって、Cu電極表面で起きているのは還元です。
��※Cuは反応に加わらないことに注意)
ここでも図のように下向きの電子の動きを書いておきます。
電極は、電位の高い方が正極で、低い方が負極になります。
よって、Cuが正極、Znが負極です。
すると「負極=電子が流れ出す電極、正極=電子が流れ込む電極」ということがわかりますよね。
これを覚えておきます。
2 電気分解の図に1を組み込む

電気分解の2つの電極の間に1の電池を組み込みます。
つまり正極と負極を描き入れます。どちらが正極でもいいです。
ここで思い出して欲しいのが、「正極=電子が流れ込む電極」ということ。
これより、正極に電子が流れ込むように電子の動きを上に向かって描きます。
一方、「負極=電子が流れ出す電極」でした。
これより負極から下に向かって電子の動きを描きます。
電池の電極は「正極、負極」でしたが、電気分解の電極は「陽極、陰極」です。
正極につながっている方を陽極、負極につながっている方を陰極とします。
正と陽はどちらも+のイメージ、負と陰はどちらも-のイメージを持つと覚えやすいです。
3 電子が上る方がアノード、電子が下る方がカソード

ここで語源の話をします。
「アノード」という語は、ギリシア語の「Anodos」に由来します。
「An」の意はprogress upward、「odos」の意はthe way。
つまり「上の方へ進む道」→「上り口」となります。
上の2つの図をみると、電子が上るのは、電池では負極、電気分解では陽極ですよね。
これより、アノードとは、電池の負極と電気分解の陽極のことになります。
「カソード」という語の由来は「Cathodos」、同じくギリシア語です。
「Cath」の意はdownward、「odos」の意はthe way。
つまり「下の方へ進む道」→「下り口」となります。
再び図を見ると、電子が下るのは、電池では正極、電気分解では陰極ですよね。
これより、カソードとは、電池の正極と電気分解の陰極のことになります。
私は「カソード→下層ど→下向き」と連想して覚えました。
また「カソード=カンゲン」と覚えておけば、どちらの極で還元が起こっているかも一発で分かりますね。
放電と充電でアノードとカソードが入れ替わる二次電池も、この方法で考えれば間違えることはないと思います。
以上、アノードとカソードについての私のまとめをご紹介しました。
化学では電子の動きに着目すると、いろんなことがシンプルに見えてきますね。
[su_note note_color="#ffffff"]今週の勉強時間40.5h 累計753.25h
勉強内容
化学 V142~490(マンガン乾電池、SI単位、電気素量・クーロン・アンペア・ファラデー定数の関係、電気分解(電池との違い、水の電気分解、海水の電気分解、希酸、希アルカリ、中性溶液の電気分解の反応式まとめ))
その他視聴ビデオ 8本
半導体 P型N型についてまとめ[/su_note]
学生さんはもちろん、その道の専門家でもうっかり間違えることがあり、
何なら解説サイトでも間違っていることがあります。
しかし、電子の動きに着目すれば迷うことはありません。
私なりの手順をまとめましたので、良かったら参考にして下さい。
[su_box title="手順" box_color="#f7db6f" title_color="#0e0d0d"]1 電池の図を描く
2 1の電池を電気分解の図に組み込む
3 電子が上る方がアノード、電子が下る方がカソード[/su_box]
1 ボルタ電池の図を描く

電極はZnとCu、溶液はH2SO4です。
イオン化傾向を確認すると、Zn>Cuとなっています。
Li > K > Ca > Na > Mg > Al > Zn > Fe > Ni > Sn > Pb > (H2) > Cu > Hg > Ag > Pt > Au
これより、Znの方がイオンになりやすいため、Znをイオンにしてしまいます。
Zn→Zn2++2e-
このときZnが失った電子は導線の方へ移動するので、図のように上に向かう電子の動きを書いておきます。
電子を失うことを「酸化」というのでした。よって、Zn電極で起きているのは酸化です。
次に、導線を通ってきた電子はCu電極へ到達します。
その電子を水溶液中のH+が受け取ってH2になるので、反応式は次のようになります。
2H++2e-→H2
還元とは電子を得ること。よって、Cu電極表面で起きているのは還元です。
��※Cuは反応に加わらないことに注意)
ここでも図のように下向きの電子の動きを書いておきます。
電極は、電位の高い方が正極で、低い方が負極になります。
よって、Cuが正極、Znが負極です。
すると「負極=電子が流れ出す電極、正極=電子が流れ込む電極」ということがわかりますよね。
これを覚えておきます。
2 電気分解の図に1を組み込む

電気分解の2つの電極の間に1の電池を組み込みます。
つまり正極と負極を描き入れます。どちらが正極でもいいです。
ここで思い出して欲しいのが、「正極=電子が流れ込む電極」ということ。
これより、正極に電子が流れ込むように電子の動きを上に向かって描きます。
一方、「負極=電子が流れ出す電極」でした。
これより負極から下に向かって電子の動きを描きます。
電池の電極は「正極、負極」でしたが、電気分解の電極は「陽極、陰極」です。
正極につながっている方を陽極、負極につながっている方を陰極とします。
正と陽はどちらも+のイメージ、負と陰はどちらも-のイメージを持つと覚えやすいです。
3 電子が上る方がアノード、電子が下る方がカソード

ここで語源の話をします。
「アノード」という語は、ギリシア語の「Anodos」に由来します。
「An」の意はprogress upward、「odos」の意はthe way。
つまり「上の方へ進む道」→「上り口」となります。
上の2つの図をみると、電子が上るのは、電池では負極、電気分解では陽極ですよね。
これより、アノードとは、電池の負極と電気分解の陽極のことになります。
「カソード」という語の由来は「Cathodos」、同じくギリシア語です。
「Cath」の意はdownward、「odos」の意はthe way。
つまり「下の方へ進む道」→「下り口」となります。
再び図を見ると、電子が下るのは、電池では正極、電気分解では陰極ですよね。
これより、カソードとは、電池の正極と電気分解の陰極のことになります。
私は「カソード→下層ど→下向き」と連想して覚えました。
また「カソード=カンゲン」と覚えておけば、どちらの極で還元が起こっているかも一発で分かりますね。
放電と充電でアノードとカソードが入れ替わる二次電池も、この方法で考えれば間違えることはないと思います。
以上、アノードとカソードについての私のまとめをご紹介しました。
化学では電子の動きに着目すると、いろんなことがシンプルに見えてきますね。
[su_note note_color="#ffffff"]今週の勉強時間40.5h 累計753.25h
勉強内容
化学 V142~490(マンガン乾電池、SI単位、電気素量・クーロン・アンペア・ファラデー定数の関係、電気分解(電池との違い、水の電気分解、海水の電気分解、希酸、希アルカリ、中性溶液の電気分解の反応式まとめ))
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半導体 P型N型についてまとめ[/su_note]
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