第33週 ダニエル電池の素焼きの板をとるとどうなる?
勉強時間 40h
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ボルタ電池:金属のイオン化傾向とイオン化エネルギーは別モノ
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・イオン化エネルギー:原子、イオンなどから電子を取り去ってイオン化するために要するエネルギー(kJ/mol)[/su_list]
このふたつ、なんだか似てますよね?どう違うのかをざっくりまとめると次のようになります。
イオン化傾向 =イオン化エネルギー+イオンの溶液中での安定性+電気化学活量+etc.
イオン化傾向には溶液という相手が関わってくるため、イオン化エネルギーだけでは決められない、と理解しました。
ダニエル電池の素焼きの板をとると?

ダニエル電池では、負極の ZnSO4水溶液 と正極の CuSO4水溶液 を素焼きの板で仕切ります。この素焼きの板はなぜ必要なんでしょう?素焼きの板がない条件で、溶液を3パターン想定して考察してみました。
(A) CuSO4水溶液 1液の場合
負極でZn → Zn2+ + 2e-という反応で放出された2e-を、水溶液中のCu2+がぶんどってCu2+ + 2e- → Cuとなり、負極のZn電極表面にCuが析出してしまう。その結果、導線の方へ流れるe-がなくなり電流が流れない。
(B) ZnSO4水溶液 1液の場合
負極ではZn → Zn2+ + 2e-の反応が進み溶液中にZn2+が増えるが、正極では Cu2+の代わりに水溶液中のH+がe-を受け取ってH2が発生する(イオン化傾向Zn>Hより)。電気は流れるが、H+の濃度が低いとすぐに電圧が下がる。
(C) CuSO4 、ZnSO4 混合液の場合
Aと同じ反応になり、電流が流れません。
以上より、素焼きの板で2液を仕切っておかないと電気が流れないためこのような構造になっているようです。
鉛蓄電池は車のバッテリー
鉛蓄電池は車のバッテリーとして使われています。よく「バッテリーが上がった」なんて言いますよね。私も、ルームランプをつけっぱなしにしてしまったせいでバッテリーが上がり、JAFのお世話になったことがありました。これは放電が続いたため、溶液中に反応に使うSO42-がなくなってしまった!という状態だったんですね。また、「バッテリー補充液」として売られている物の成分は「精製水」ということも初めて知りました。将来、大災害で飲料水がスーパーからなくなってしまい飲むものに困って生きるか死ぬか・・・!みたいな状況になったらオートバックスやイエローハットにバッテリー補充液を買いに行こうと思います(そして塩を入れて飲む)。

今週から半導体の勉強を始めました。前田和夫著「はじめての半導体プロセス」を開いたところ、用語が全然分かりません!むしろここが一番難しい気がする。とにかく私はまだこの本を読む前段階にいるということが分かったので、P型、N型半導体とは?ダイオードとは?から始めています。大丈夫、まだ4月。早めに手を付けておいて良かった・・・。

それでは次週も引き続きやっていきます。
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