インスリン療法


先日、勤務先で勉強会に参加しました。





今回のテーマは糖尿病のインスリン療法について。





自己注射をする患者さんは注射器本体にカートリッジと針を自分でセットし、終端部にあるダイヤルを回して一回の容量を調節し、ボタンを押して腹部等に注射します。最近はペン型注射器を用いるのが主流で、針は細く短く、痛みも少なくなっているとのこと。





注射器、カートリッジの種類、作用動態について、MRの方から説明していただきました。注射後の効果の持続時間などの違いにより、超速効型、即効型、混合型、中間型、持効型溶解の5種類があり、これらを患者さんそれぞれの分泌パターンに応じて、組み合わせたり単独で使ったりして、理想的な分泌パターンを再現するとのことでした。





最後に注射器のサンプルが配られ、看護師さんたちに教えてもらいながら操作してみました。こういった器具を実際に触れる機会があるというのが、医療機関で働いて良かったと思うところです。





さてペン型注射器を実際に触ってみた感想としては、意外と小さく持ちやすいということでした。修正ペンを一回り大きくしたくらいのサイズ感です。ボタンを押すのにちょっと力が要り、握力が弱い方向けの補助器具なんかもあるそうです。





看護師さんたちの話題に上ったのは、すでに注射したことを患者さんが忘れてしまい、もう一度注射してしまうという問題。必要量の倍を注射することになるため、血糖値が下がりすぎてしまい、放置すれば意識朦朧、昏睡などに陥ってしまうからです。高齢の一人暮らしの患者さんなどはそういった管理が難しいとのことでした。





その問題はデバイスで解決できないのだろうか?と、帰宅してから調べてみました。





まずは日本特許庁データベース。ありました。特願2018-47273 サノフィ社「注射デバイスに取り付けるための補助デバイス」。こちらは市販の注射器に表示窓のついた小型デバイスを取り付け、いつ、どの薬剤を何単位注射したかを表示させるものです。光度計による色認識でカートリッジの種類を判定し、OCR読み取りセンサが注射器の容量窓に表示される選択容量を認識し、音響センサがクリック音(ボタンを押すとカチッと音がする)を認識し、薬剤の放出が行われたか否かを判定します。他にもいくつかありましたが、外国からの出願が多い印象。国内の大手メーカーの名前は見つかりませんでした。





販売されている商品は・・・とグーグルで検索したところ、上述のサノフィのタイプの他に、注射器本体に記憶手段と表示手段がついたものや、アプリと連動して注射の時間と注射単位をお知らせしてくれるような商品もみつかりました。これなら自己管理も楽になりそうです。





しかし、検索してヒットしたのは全て海外サイトのもので、日本での販売が確認できませんでした。うーん、認可の問題でしょうか?先日のMRの方にまた会う機会があれば聞いてみたいところです。





今後いっそう深刻になってゆく高齢化問題。このような自己管理を助ける商品はもっと充実して欲しいと思います。もしくは体内で勝手に薬剤を放出して、自己注射が必要なくなるような埋め込みデバイスなどが開発されても良さそうですね。この分野の出願動向に注意して、時々チェックしてみたいと思います。




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