第25週
引き続き理論化学をやっています。今週はイオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度。有機化学をやっていた頃、電気陰性度の理解は本当に重要だと感じていました。講義ビデオを視聴し、過去に自分でまとめた知識をデフラグするように、もう一度ノートをまとめました。その上で電気陰性度の記事を読み直してみると、理解が浅いですね。イメージをつかむだけならこれでもいいと思いますが、いずれ書き直したいです。とりあえず一部だけ加筆・修正しました。
今週の金曜日から朝方生活に切り替えました。早朝は気配で息子が起きやすいので夜に勉強していたのですが、モニターの光を浴びているせいか寝付きが悪く、睡眠の質も最悪で、かなり辛い状態が続いていました。そろそろどうだろうと朝4時に起きてみたところ、息子、気付かずに7時まで寝てくれました!たまに「えーん」と泣いてしまいますが、トントンしに行くとすぐ寝入ってくれます。おかげで私の睡眠問題は改善され、体調もいい感じです。このまま継続できることを祈ります。頼む、息子よ…。
イオン化エネルギー(単位:kJ/mol)
原子、イオンなどから電子を取り去って陽イオンにするために必要な最小エネルギー。気体状態の原子から電子を1個取り去って1価の陽イオンにする場合は第1イオン化エネルギー、1価の陽イオンから電子を1個取り去って2価の陽イオンにする場合は第2イオン化エネルギー、2価の陽イオンから電子を1個取り去って3価の陽イオンにする場合は第3イオン化エネルギーといい、以下第4、第5…と続く。以下、第1イオン化エネルギーについてまとめる。
周期表の1族の原子は、電子を1つ取り去ると安定した希ガスと同じ電子配置になるため、電子を取り去るエネルギーが小さく、イオン化エネルギーは最小となる。逆に希ガスは安定しているため電子を取り去るのに大きなエネルギーを必要とする。そのためイオン化エネルギーは最大となる。これより同周期では左から右に向かってイオン化エネルギーは段階的に大きくなる。
だが、2族、15族で前後のものよりエネルギーが少し上がる。これは、2族はs軌道が閉殻となる「軌道閉殻」、15族ではp軌道の3つの軌道に1つずつ均等に電子が入った「半閉殻」という状態になることで、電子配置がやや安定することが理由。(遷移元素でも同様の傾向が見られるが、軌道閉殻・半閉殻状態をフライングしてとる原子があり、族で決定できない。)半閉殻という状態は、全ての軌道に電子がバランス良く配置することで、電子同士のクーロン力による斥力が働かないため安定する。
族では原子半径が小さいほど(上の周期ほど)イオン化エネルギーは大きい。原子半径が小さいほど、原子核と最外殻の距離が短くなり、クーロン力が強く働く。すると、電子を取り去るために大きなエネルギーが必要になる。逆に原子半径が大きいと、小さなエネルギーで電子を取り去ることが出来る。有効核電荷が小さい(課題:有効核電荷を使ってイオン化エネルギーを説明してみること)。
〈遮蔽と有効核電荷〉
内側の軌道の電子によって、原子核の電荷(核電荷)が打ち消される効果を遮蔽という。Liの場合、最外殻電子はL殻にあるが、内側のK殻の電子によって核電荷が打ち消されてしまい、L殻の電子はK殻の電子より核電荷を弱く感じている。このように遮蔽によって実際の核電荷より減少した核電荷を有効核電荷という。
〈なぜ「気体状態」の原子なのか?〉
原子は、固体状態では互いに接近して結合しているが、気体状態では自由に飛び回っており、互いにかなり離れているため、分子間の相互作用がそれぞれの運動にほとんど影響しない。原子同士の影響を考慮しなくてよい状態を表現しているのが「気体状態」ということ。
電子親和力(単位:kJ/mol)
原子に電子を1つ与えたとき、放出または吸収されるエネルギー。
周期表の17族の原子(ハロゲン)は、電子を1つ与えれば安定した希ガスと同じ電子配置になるため、電子親和力が大きい。逆に希ガスは安定しているためこれ以上電子を受け入れたくない。よって電子親和力が最も小さい。電子を取り去りたい1族も電子親和力は小さい。これより同周期では左から右に向かって電子親和力は大きくなる。イオン化エネルギーと同じく、軌道閉殻と半閉殻の族は電子親和力が少し上がる。また、同族では原子半径が小さいほど電子親和力が大きい。これも有効核電荷が大きくなるため、電子を引きつけやすくなっていることが理由と考察した。
電気陰性度 (単位:無次元)
分子内の原子が電子を引き寄せる強さの相対的尺度。ポーリングによって、Fの電気陰性度を4とし、それを基準に各原子の電気陰性度が定められている。AとBという2つの原子から成る分子の場合、電気陰性度がA>Bであれば、Aの方にBの電子雲が吸い寄せられ、Aの電子雲が大きく、Bの電子雲が小さくなる。イオン化エネルギーと電子親和力は原子単位の話だったが、電気陰性度は分子=結合ありきの話であることに注意。よって、共有結合を作らない希ガスには電気陰性度は定められていない。イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度の関係は、マリケンによって「電気陰性度=(イオン化エネルギー+電子親和力)/2」と示された。よって、同周期では左から右に行くほど、同族では原子半径が小さいほど電気陰性度が高い。ただし、マリケンの式で求めた電気陰性度は典型元素以外では不正確となるため、電気陰性度の値はポーリングのものを使うこと。大きな電気陰性度を持つ代表的な原子とその大小:F>O>N=Cl。
〈水素結合〉
電気陰性度の高いF、O、NとHとの結合を特別に水素結合と呼ぶ。結合の極性により、他の分子間力よりはるかに結合が強く、そのため沸点が高くなる。ClはNと電気陰性度がほとんど変わらないが、水素結合にはならない。それは、NよりClの方が原子半径が大きいため、最外殻の電荷密度が低く、Hのδ+を引きつける力が弱いことが理由。(課題:有効核電荷が小さいことからも説明出来るだろうか?)
イオン化エネルギーは電子を売る「売値」、電子親和力は電子を買い取る「買値」とイメージすると分かりやすい。すると電気陰性度は売値も買値も高いもの、つまり市場での価値が高いものとイメージできる。例えば美術館にかぼちゃの絵が飾られて、数人の人が鑑賞しているとする。その隣に本物のゴッホの絵が登場すればあっという間に大きな人だかりができ、かぼちゃの絵の周りは閑散と…と、イメージしてみた。
勉強はイオン結合と共有結合まで進みましたが、金属結合と配位結合まで進んでから俯瞰して見たいので、まとめは次週に。
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